いくらロングヒットした作品とは言え、さすがに今これについて書くのは遅すぎないか?!とためらったのですが、せっかく観たのでやっぱり書きます😀
鑑賞したのは3月。
とある事情から、自宅を出て時間潰しをしなければならなくなりました。
夫は仕事、春休みに入っていた子供たちにもそれぞれ行く場所があったため問題なし。しかし、さて、私はどうする?と。(実家に行く気はありませんでした)
最初は、自転車でブラブラ色んなお店をまわってみるか、と考えていたのですが、前日に確認すると当日はなんと雨予報☂️ あれまあ、どうするかね?と更に考えあぐねていたところ、そうだ!映画を観よう!💡と。
そして、公開作品をチェックし始めたのですが、春休みだからか子供向けのが多く、観たいと思えるものがありません💧 それでも下にずんずんスクロールしていくと、最後にあった!「国宝」が!! まだやってるんだ!?と驚きつつ、よし!じゃあこれ観てみるか!✨と。ちょうど日本アカデミー賞を見た後だったし、一気に気持ちが傾きました。そして、昨夏に息子と行ったように、電車に乗ってイオンシネマへ。
さすがに、上映は午前からの1回のみ。時間帯は我が家の都合にちょうどよいものでした。
上映時間は175分。
確かに長いですよ。場内が明るくなり立ち上がったとき、体がバキバキだったので伸びしましたもん(笑)
公開から9ヶ月たっていたにも関わらず広いスクリーンでしたが、観客は20人程度。(最後列の席に座ったのでざっと数えてみたんです😀) しかも、やはりと言うべきか、年齢層は高かった。 (上映中、この方たちが何度かスマホを鳴らし、おいおい、と少々イラつきましたが)
で、いよいよ感想に入りますが、まず、私は原作は読んでいません。ですから単純に、出来上がった映画に対する個人的価値観・嗜好による評価となります。
結論から述べるなら、よかったですよ。長かったですが魅入りました。何より吉沢亮が素晴らしかった。最優秀主演男優賞の獲得に心から納得。これは至極妥当な評価だと。そして、横浜流星が助演で最優秀賞を逃したことにも納得しました。吉沢亮があまりにも美しく、またその演技が圧巻すぎて、横浜流星だって決して悪くはないのだけれど「今ひとつ何かが足りない」、見ながらそう思いました。大河の撮影とかぶった時期あったのかな? ならばスケジュール調整も大変だったでしょうし、体は鍛えているのだけどちょっと痩せすぎというか頬がこけているようで。
歌舞伎の女形は、美しく見せるのなら顔は丸みを帯びている方がいいです。映画化決定から5年。李相日監督が、主演は吉沢亮ありきを貫いた理由はやはり姿かたちにもあったと思いますよ。主役と対になる俊介役はなかなか決まらず、最終的に「横浜流星にかけてみよう」となったそうですから。
あと、田中泯さんの存在感。本当に、演技も何もかもが素晴らしかった。いるよ、こんな歌舞伎役者、と。見た目だけだと、今は亡き中村屋の最長老を思い起こしていました。
この役を全うするにあたりそうとう研究されたんでしょうね。座っているだけでも「本物」にしか見えませんでしたもの。
渡辺謙さんは、まさに安定の渡辺謙です(笑) 本当に、何を演じても違和感なし! 凄みあるし。役者として顔もいいですよね。一時期、変に色気があって嫌だな、と感じていましたが、ここ最近はそんなことないです。年相応に落ち着いてきたというか。やはり私生活の、やっとの安定も影響しているのでしょうか。自分と同じくタイガースファンだし今は嫌いじゃないです🙂
三浦貴大の、終始飄々とした演技もよかったですね。どんな状況でも1人トーンの変わらないキャラに、終盤は何故か救われました。
数少ない女性キャストについて触れるなら、高畑充希かな。ビミョ~に嫌な女の演技、うまかったです。
物語は1960年代の長崎から始まるのですが、私は冒頭から驚きました。だって、歌舞伎界とヤクザとの繋がりが描かれているのですから。これ、事実だったのか?と、つい。歌舞伎好きの母に聞いてみたところ、昔はあったんじゃないの、と。なるほどねぇ。ヤクザから贔屓にされていた役者いたかもねぇ、と。
で、吉沢亮演じる喜久雄はこのヤクザ親分の一人息子なのですが、歌舞伎の世界に入る前、背中一面に入れ墨をいれます。ですから、入れ墨のある国宝となるわけで。そんなことあっていいのか😮?と考えてしまいますが、まあ深掘りしたって仕方ないし、これはあくまでも創作ということで😅
この、喜久雄の少年期を演じた黒川想矢がまた素晴らしくてですね。歌舞伎界に入る前から好きで女形を演じ、組の新年会などで芸を披露していたのですが、この子の演技がまことにしとやか艶やかで魅了されるのですよ。一体どれほど練習すればこんな身のこなしができるの、と。黒川くんにも何らかの賞を与えてほしかったです。評価されて然るべきでは、と。
人によって泣きのポイントはあったりなかったり。あったとしてもそのシーンはそれぞれだと思いますが、私は唯一、横浜流星演じる俊介が「お前には芸があるやないか」と喜久雄に言う場面、ここで思わず涙が出ました。
この台詞は、CMでよく流れていたものですが、この前にある、喜久雄の台詞があまりにも切実で胸を突くのです。
歌舞伎の世界は血筋を重んじる。だから当主(渡辺謙)の実子である俊介に向かって、自分が今一番欲しいのは俊介の血。俊介の血をコップに入れてガブガブ飲みたい。 守ってくれる血が俺にはない、と。そして俊介は、役をとられた悔しさや複雑な胸中を押し殺し、目に涙をためながら上記の言葉を優しくかけ喜久雄を励ますのです。この2人のやりとりにはグッときましたね。
最後に、「国宝」でもう1つ素晴らしかったもの。それは劇中の音楽です。まあドラマチックで。
この音楽が、シーンごとに観客を物語の世界へ誘ったと言っても過言ではないと思いっていますよ。作曲家も賞をとりましたよね。納得です。

さてさて、書き忘れたことはないかな(笑) なにせ約2ヶ月前ですから😀
アニメ以外の邦画としては久々に世間を席巻した話題作。それでも元々は観るつもりのなかった作品でしたが、ひょんな事情のおかげで鑑賞できよかったです🙂